「名所旧跡巡り同好会報告」

川崎 向ヶ丘ばら苑・生田緑地を巡る  

三瓶英雄(新十回卒) 

 平成15年の川越探訪以来19回目となる今回の名所旧跡巡り同好会行事は、例年より10日も早い梅雨入りにもかかわらず幸いにも好天に恵まれた6月1日、
JR南武線・小田急登戸駅前に過去最高となる30名の参加者が集合した。
 
 芳賀勇君が15年前にここJR登戸駅の駅長を務めていたとのことで、早い時間から到着して当時とは一変した駅舎や駅前を懐かしそうに巡り歩いていた。
 昼食後は今回のメインイベント「日本民家園」の見学へ。入園料は30名の団体扱いとなり、さらにそのうち27名は65才以上のシニア料金が適用される年齢構成だ。
ここは江戸時代の東日本の代表的な古民家をはじめ水車小屋、船頭小屋、歌舞伎舞台など25件の文化財建造物を緑に囲まれた落ち着いた佇まいの丘陵地に配した
 この後梅園を横にして急な階段を下り岡本太郎美術館へ。高い階段上に聳えるユニークなデザインの美術館は平成11年に開館し、川崎市ゆかりの芸術家岡本太郎から
寄贈された美術作品と資料が数多く展示されているが、時間の都合上屋外展示作品「母の塔」の鑑賞に留め公園広場に異動して昼食。
 約1名から小田急を乗り越し到着が遅れるとの連絡を受け、取りあえずバスに乗車して藤子・F・不二雄ミュージアムまで行き到着を待ち10分ほどで無事合流。
1年半ほど前に開館し今も根強い人気のミュージアムだが、観るのは次の機会にお孫さんとゆっくりどうぞと今回はパスして、さあ全員出発。
 この後30分ほどのアップダウンコースである北部緑道を歩く予定だったが、もう充分との気配が濃厚だったためショートカットして枡形山へ。
ここは生田緑地で最も高い標高84米の地に在り、鎌倉時代の武将の居城跡。
展望台からはあいにく富士山や丹沢山系は臨めなったが、都心の高層ビルスカイツリー、横浜ランドマークタワーなどの眺望を楽しむことが出来た。
男性のほとんどはその半分ほどの時間で鑑賞を終え所在なさそうにしているのに対して、女性は許される時間ぎりぎりまでじっくり鑑賞と、男女間で花を
愛でる気持ちに大きな差があるのを実感できて面白かった。
 最初に訪れたのはばら苑、ここは向ヶ丘遊園内に整備されていたばら苑を閉園後川崎市が引き継ぎ、平成14年から市民ボランティアが育成運営し春秋の
開花時期のみ無料で開苑しているもので、若干見ごろが過ぎていたとはいえ533種類、4700株といわれるバラが鮮やかに咲き誇っていた。
30分の鑑賞タイムを設けたが、男性のほとんどはその半分ほどの時間で鑑賞を終え所在なさそうにしているのに対して、女性は許される時間ぎりぎりまで
じっくり鑑賞と、男女間で花を愛でる気持ちに大きな差があるのを実感できて面白かった。 
 今後の反省として、参加者の高齢化によるこのようなトラブルの回避やコースの選定、歩く速度などに留意していく必要のあることが感じられた。
 帰途、下り階段横に長者横穴古墳群が在り、7世紀ごろに築造された横穴墓を目にしながら向ヶ丘遊園駅に向かい、近くの居酒屋で打ち上げ。程よく疲れたお腹に
アルコールが染み渡って、いつもながらご機嫌な盛り上がった懇親会になった。ただ、お開きの後靴の履き違いがあって、後日全員に確認しても発見されず残念だった。
 次いで15分ほど移動して隣接する生田緑地へ。ここは多摩丘陵東端に位置する川崎市内最大の公園で起伏に富んだ園内には青少年科学館、菖蒲園、つつじ山、
梅園、岡本太郎美術館、日本民家園、枡形山展望台などが散在する。
園内を左廻りに丁度見頃の菖蒲園を通り抜け、やや急登の階段を登るとふうーと息の上がっている人を何名か見掛ける。ゆっくり移動するように心掛けつつじ山に到着し休憩。
野外博物館で、1時間の自由鑑賞時間を設けた。おのずと何人かずつのグループに分かれ登り勾配の広い敷地内を見た後、急階段をぜいぜい言いながら登り最後の
歌舞伎舞台前に三々五々到着すると、一様に止まり木のような野外観客席に1列になって疲れを休める様は、まるで電線にツバメが止まっているみたいと冷やかしカメラに収める。
ほっとして汗をぬぐい、めいめい水や食べ物を口にする。